カーラッピングは塗装より簡単に元に戻せる?
近年、車のボディを保護するためにカーラッピングを施工することが増えてきました。さらに、広告目的や車の外観イメージを変えるために塗装ではなくカーラッピングを施すことも多いでしょう。そこで、今回は「カーラッピングは塗装よりも簡単か」をテーマにカーラッピングの特徴を紹介します。
カーラッピングと塗装の違い
まずはカーラッピングと塗装の違いを説明します。塗装というのは車のボディに直接塗料を吹きかけて、色を変えたりデザインを付け加えたりします。塗装器具の質が高まっているとはいえ、実際は塗装職人の技術によって仕上がり差があるでしょう。また、色やデザインによっては色ムラが出たり、想像とは異なる仕上がり色になったりしてしまうこともあるので、表現できる色やデザインに制限があります。
一方、カーラッピングは特殊なシートにプリントすることでさまざまな色味やデザインを表現できます。難しいグラフィックやキャラクター、ロゴなども簡単にプリントできるので、塗装よりも表現力が高いといえるでしょう。
また、施工期間についてみてみると、塗料の場合は長くて1か月程度かかることがあります。というのも、塗料の準備に時間がかかるだけでなく、実際の塗装の工程では下地処理や上塗りなどが必要なので、一回の塗装で完成するわけではないのです。さらに、マスキング作業にも時間がかかったり、そもそも塗料が乾燥したりするのに時間がかかってしまいます。そのほか、デザインの難易度によって施工時間が変わるため、難しいデザインや複雑な色味の場合は長い工期がかかってしまうでしょう。
一方、カーラッピングの場合はプリントしたものを車両に貼り付けていくので、完成までに2週間あれば問題ありません。とはいえ、まるまる2週間かかるのではなく、実際の施工時間は2日程度です。デザイン制作やシートがなじむまでに時間がかかるので、長くて2週間ほどの余裕を持っておいたほうがよいでしょう。
原状回復は塗装よりカーラッピングのほうが簡単?
原状回復を前提にしている場合はカーラッピングのほうがおすすめです。塗装の場合はもともとの塗料の上から下地処理を行い、塗料を吹き付けていきます。そのため、原状回復が非常に難しいのです。
一方、カーラッピングの場合はラッピングシートを剥がせば、元通りに戻るので塗装よりもはるかに原状回復が簡単といえるでしょう。しかし、フィルムを剥がすには特殊な技術が必要になるので、経験がない人がフィルムを剥がすと、逆に表面を傷つけてしまうかもしれません。また、綺麗に剥がれずに車両側にノリが残ってしまうリスクもあるでしょう。ラッピングは塗料よりは原状回復が簡単なものの、高度な技術が必要になるのです。
リース車の場合は原状回復してから返却しよう!
リース車の場合は基本的に原状回復が条件となっています。そのため、リース車に塗装することは原則できないと思っておいたほうがよいでしょう。しかし、カーラッピングであれば原状回復が可能なのでリース車であっても施工することが可能です。営業車や宣伝カーなどを自社で購入しているのではなく、リースしている場合は、カーラッピングを施すことでオリジナルの外観に仕上げられます。
また、カーラッピングはさまざまなデザインを施して宣伝効果を期待できるだけでなく、飛び石や洗車による傷を防げるというメリットもあるのです。というのも、ラッピングの場合、車両のボディ面に特殊なシートを貼り付けていくので、万一傷がついたとしても、ボディではなくシートに傷がつきます。つまり、シートさえ剥がしてしまえば、ボディは綺麗な状態を維持しているのです。リース車の場合、ボディに傷が多く残っている場合は原状回復費用を追加で請求されることも少なくありません。
しかし、カーラッピングをしていれば、ボディに直接傷がつくわけではないので、原状回復費用を請求されることはないでしょう。ただし、ラッピングを施したまま、リース車を返却するとカーラッピングを剥がすためにかかる費用を請求されてしまうので注意が必要です。そのため、リース車を返却する場合は必ずラッピングを剥がしてから返却しましょう。
まとめ
カーラッピングや塗装を施すことで、車やトラックの外観イメージを変えることが可能です。しかし、カーラッピングと塗装、どちらがよいのか迷われている方も多いでしょう。塗装の場合、職人の技術によって仕上がりに差が出てしまいます。さらに、難しいデザインや色味の場合は塗装では表現できないことも少なくありません。一方、カーラッピングであれば特殊なシートにプリンターでプリントするので、複雑なデザインでも表現できるでしょう。さらに、車両にシートを貼り付けているだけなので、元通りに戻したい場合はシートを剥がせばすぐに元に戻ります。とはいえ、シートを剥がすには高度な技術が必要になるので、専門業者に依頼したほうがよいでしょう。