アドトラックが効果的な時間帯は?運行できない時間もある
アドトラックとは、トラックの荷台部分に大きな広告を設置して走行することで、通行人など多くの人にアピールする車両のことです。広告宣伝車とも、宣伝カーとも呼ばれます。本記事ではアドトラックの運行に効果的な時間帯や、宣伝内容によって効果的な時間やエリアが異なる点について解説します。
広告効果が高い時間帯
アドトラック運行で気になるのは、費用対効果です。アドトラックの料金は走行時間や走行エリア、車種、デザイン費用などで決まります。せっかく運行させるなら、広告効果が高い時間帯に走らせたいものです。
ここでは、アドトラックの運行時間の仕組みや効果の高い運行時間、深夜料金などについて解説します。
標準的な運行時間
基本的な運行時間は8時間です。これに、ドライバーの休憩時間が1時間加算されます。たとえば、朝の7時から運行すれば、夕方の16時までの運行となります。原則、アドトラック運行会社が設定した時間枠の中から、運行させたい時間帯を選択します。
効果が高いのは12時から21時の時間帯
人気の高い運行時間は12時から21時です。この時間は昼のランチタイムと帰宅時間が含まれるため、最も多くの人の目に触れると期待できるからです。
22時以降は深夜料金がかかる場合がある
22時以降に運行する場合は、深夜料金が加算されます。労働基準法第37条で深夜手当の支払いが義務付けられているためです。費用対効果を考え、深夜に走らせるメリットがある場合のみ、利用を検討したほうがよいでしょう。
宣伝内容によってエリアや時間帯を変える
アドトラックは取り扱う広告によって、運行させるエリアや時間帯を変える必要性があります。広告の種類や走行エリア・時間の関連について解説します。
アドトラックで扱う広告の種類
アドトラックで扱う宣伝内容は多種多様です。祭りやコンサートなどの一時的なイベント告知やクリスマス、バレンタインなどの季節限定のセールスプロモーション、あるいは特定の地域や地元ビジネスの内容に特化した広告もあります。
また、アドトラック広告は他の媒体と比べ宣伝内容の規制が緩めです。高収入求人やナイトスポットに関する広告など、比較的審査が厳しい内容の広告を取り扱うこともできます。ただし、自治体によっては条例により審査が必要と定められている場合もあるため、アドトラック運行前に走行エリアのルールについて調べておきましょう。
広告内容とエリア・走行時間の関連
取り扱う広告の内容に応じて、走行させるエリアや時間帯を変える必要があります。イベントのプロモーションであれば、年齢・性別を問わず多くの人にアピールしたいので、繁華街の昼間から夕方にかけて走行すると効果が上がります。ナイトスポットの広告や求人であれば、夜の繁華街を訪れる人にアピールしたいので、夕方から夜間に繁華街を走行させると効果を高められるでしょう。
その一方で、不動産に関する広告や自治体が走らせる公共広告は、夜間よりも、比較的早い時間に運行したほうが効果的です。このように、広告内容によってエリアや走行時間を変える必要があります。
条例により走行できない時間帯もある
アドトラックは費用対効果に優れた広告手段ですが、運行にあたって規制を設けている自治体もあります。ここでは、東京都の屋外広告物条例施行規則や拡声器暴走音規制条例を例に、アドトラックの規制について解説します。
屋外広告物条例施行規則
屋外広告物条例施行規則は、屋外広告物の設置や表示に関する法令です。この規則では、広告物の設置基準や設置許可手続き、広告の管理・維持などについて定められています。
東京都の場合、東京屋外広告協会がアドトラックの表示内容やデザインについて審査します。審査の基本方針は交通安全に配慮しているか、公共空間にふさわしいデザインか、街の景観に配慮しているかなどの6項目です。広告デザインがこれらから大きく逸脱していると、審査落ちしてしまうかもしれないので注意しましょう。
拡声器暴走音規制条例
アドトラックは、拡声器などで大きな音を出しながら走行することが多いため、一部の自治体では一定以上の音量を出すことを禁じています。東京都では85デシベル以上の音を「暴騒音」と定義し、道路や公共の場で暴騒音を出すことを禁じています。90デシベルで騒々しい工場の中と同じ程度ですので、85デシベルでもかなりの騒音だといえます。
まとめ
今回はアドトラックの効果的な運行時間帯やアドトラックで扱う広告の種類、アドトラックに関する規制についてまとめました。アドトラックは費用対効果に優れた広告媒体ですが、使い方を間違うとマイナスプロモーションになってしまうかもしれません。効果的に使うのであれば、午後から夕方の時間帯に繁華街で使用するなど、走行させる時間や場所を厳選したほうがよいでしょう。
また、各自治体が定める広告に関する規制などを事前に調べ、運行しようとしている宣伝カーの内容が法令や条例に違反していないかどうか確認するなど、事前調査を徹底したほうがよいでしょう。