ラッピングを施した車は洗車してもいい?洗車の際の注意点とは

公開日:2024/08/15  

ラッピングカー 洗車

 

ラッピングを施した車を所有している方は、洗車時に特別な注意が必要です。通常の塗装とは異なり、ラッピングフィルムは非常にデリケートなため、誤った洗車方法はフィルムを傷つける原因となります。本記事では、ラッピング車両を美しく保つための洗車のコツや注意点についてくわしく解説しましょう。

ラッピングトラックはこまめな洗車が必要?

もともとカーラッピングは、海外のカーオーナー向けに始まったカスタマイズ・ドレスアップサービスです。査定価格が落ちにくいボディカラーで高級車やスーパーカーを購入し、購入後すぐにラッピングフィルムで自分の好きなカラーに変えることで、カラーチェンジを楽しめるというアイデアから生まれました。そして一定期間その形で楽しんだ後、ラッピングフィルムを剥がして売却や乗り換えを行うことで、カスタマイズを楽しむ文化が広がっていったのです。

このことから、カーラッピングのおもな目的はカラーチェンジを楽しむことにあるといえます。フィルムは、車の外観やデザインを手軽に変える手段でもありますが、同時に保護膜としての役割も果たしています。しかし、いくら汚れや傷から車を保護できるとはいえ、まったくメンテナンスをせずに永久に使用できるわけではありません。

カーラッピングの耐久性は約3年ですが、これはあくまで理想的な条件下での話です。カーラッピングフィルムは、車のボディに貼り付けているだけの薄い膜なので、塗装表面に比べて劣化しやすく、汚れやすいため、定期的な洗車が必要だとされています。紫外線や酸性雨、鳥のフン、樹液などの外部要因によるダメージを受けやすいため、こまめな洗車が必要不可欠です。

洗車をおこたると、フィルムの表面に汚れが蓄積し、見た目が悪くなるだけでなく、フィルム自体の劣化を早めてしまいます。とくに、鳥のフンや虫の死骸、樹液などは酸性度が高く、放置するとフィルムにシミが残ったり、変色したりする可能性があるのです。

カーラッピングを施した車の洗車の仕方

ラッピングトラックには定期的なメンテナンスが必要です。こちらでは、カーラッピングを施した車の洗車方法について詳しく説明します。

洗車の最初はたっぷりの水

ラッピングフィルムは約100μの厚さ(粘着剤を除く)しかないため、非常にデリケートです。微小な石やごみ、砂・塵などがフィルムを傷つける原因となります。

そのため、洗車を始める際は、まずボディ全体にたっぷりと水をかけてこれらの異物を流し落とすことが重要です。このとき、洗車クロスやスポンジを使うのは避け、水だけでフィルム表面の汚れをしっかりと流しましょう。

中性のカーシャンプーを使用

水だけでは落ちない汚れがあるときは、市販のカーシャンプーを使用することができますが、アルカリ性や酸性のシャンプーは洗浄力が強く、フィルムに悪影響を与える可能性が高いため避けるべきです。中性ならフィルムのラミネート層にほとんど影響を与えずに汚れを落とすことができるので、必ず中性のカーシャンプーを選びましょう。

また、使用後はシャンプー成分がボディに残らないよう、しっかりと洗い流してください。

洗車後の拭き上げ

洗車後、ラッピングフィルムの上に水分が残っていると、新たなシミや汚れを引き寄せる原因となります。そのため、洗車が終わったらボディに残った水分・水滴を丁寧に拭き上げることが重要です。

この際、マイクロファイバークロスなど、柔らかく繊維の細かいクロスを使用することをおすすめします。これにより、フィルムを傷つけることなく、表面をしっかりと乾かせるのです。

洗車機はNG?洗車の際の注意点とは

デリケートなフィルムを利用しているため、ラッピングトラックを洗車する際はいくつか注意点があります。ここでは、ラッピングカーの洗車における注意点と適切なメンテナンス方法について詳しく解説しましょう。

洗車機・高圧洗浄機の使用はNG

洗車機には高回転のブラシが使用されています。これらのブラシは、車両に付着した汚れを効率的に除去するために設計されていますが、その反面、ラッピングフィルムには大きな負担をかけるのです。高回転ブラシがフィルムに触れると、フィルム表面に細かな傷がついたり、ひどい場合にはフィルムが破れたりする可能性があります。

また、洗車機の強力な水圧もフィルムの剥がれを引き起こす原因となります。これらの理由から、ラッピングカーの洗車には洗車機の使用を避けるべきです。

また、高圧洗浄機は、その強力な水圧で汚れを効果的に落とすことができますが、ラッピングフィルムには適していません。高圧の水がフィルムの端や隙間に入り込むと、フィルムが剥がれやすくなります。

とくにフィルム施工直後は、接着剤が完全に馴染んでいないため、剥がれるリスクが高まります。高圧洗浄機を使用する場合は、水圧を低く設定し、フィルムの端や隙間に直接当てないように注意が必要です。ラッピングカーの洗車には、手洗いがもっとも適しているといえます。

炎天下での洗車は避ける

炎天下での洗車は、フィルムにシミを作る原因となります。太陽の熱でボディが熱くなりすぎると、洗車時に使用するカーシャンプーや水がすぐに蒸発し、シミができやすくなるのです。

そのため、洗車はできるだけ屋内で行うか、気温が高くない時間帯や曇りの日を選ぶとよいでしょう。

施工直後の洗車は控える

カーラッピングを施工した直後は、フィルムと車両の間の接着剤がまだ完全に馴染んでいない状態です。この時期に洗車を行うと、フィルムが剥がれやすくなる可能性があります。

施工後24時間以内の洗車は避け、できれば1週間程度は洗車を控えるようにしてください。

まとめ

カーラッピングを施した車は定期的に洗車が必要なうえ、通常の洗車よりもていねいかつ慎重に行わなければなりません。洗車の際は、最初の水掛けによる異物除去、中性のカーシャンプーの使用、そして洗車後のていねいな拭き上げが重要なポイントです。

また、洗車は必ず手作業で行い、炎天下での洗車や施工直後の洗車も避けるべきです。適切なメンテナンスを行うことで、ラッピングフィルムの美しさと耐久性を最大限に保つことができます。

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