子どもが書いた絵をトラックにラッピング!事故の減少にも効果あり!?
ネット通販の普及により、物流業界の需要は高まる一方です。そんな物流業界を支えている、トラックに子どもの描いた絵をラッピングできる取り組みが広がっていることをご存じですか?温かみのある子どもの絵には、ドライバーの心をなごませ事故の減少につながる効果があります。今回は、子どもの絵をラッピングしたトラックについて解説します。
子どもの書いた絵をトラックにラッピングできる
トラックのボディに子どもが描いた絵をラッピングできる取り組みは、一般社団法人「こどもミュージアム協会」が行っています。人に優しい気持ちをもって安全に走行し、交通事故を減らしたいという目的で、このプロジェクトは始まりました。こどもミュージアム協会は随時会員を募集していて、一口5,000円からの会費を支払うことで会員になることができます。会員になると、トラックへのラッピングが会員価格で施工してもらえるなどの特典があります。
もちろん会員にならなくてもトラックへのラッピングは可能です。施工を申し込む際には、ラッピングに使用したいお子さんの絵の原本もしくはPDFデータを送付してください。もし用意できなかった場合は、お絵描き大会を開催することも可能なので、ぜひ協会のスタッフに相談してみましょう。お子さんと一緒に楽しい思い出を作りながら、素敵なラッピングのデザインができあがるかもしれませんね。
子どもの書いた絵は交通事故の減少に効果あり
子どもの絵をトラックにラッピングするアイデアは、大阪のとある運送会社から始まりました。自社のトラックが死亡事故を引き起こしてしまったのがきっかけです。それまでも運送会社では、毎日の点呼や定期的な研修、IT機器の導入などトラックの安全対策に力を入れていました。もちろんそれらの対策には一定の効果があるのですが、交通事故防止の対策としては決定的な決め手には欠けていたのです。なにより運送会社とトラックドライバーの関係が「管理する側」と「管理される側」になってしまっていて、安全対策が窮屈な雰囲気になってしまいます。
悩んだ社長は、ある日、1人のドライバーが子どもの絵をダッシュボードに飾っているのを見かけました。これがきっかけとなって子どもの絵をトラックにラッピングする「こどもミュージアム」を思いついたのです。お父さんの安全を願って一生懸命描いた子どもの絵は、ダイレクトに心に伝わります。運送業務に携わっていれば、時間に追われてイライラしたり仕事で疲れていたりして、精神状態が悪い時もあるでしょう。それは人間なのだから仕方のないことですが、ちょっとした気のゆるみや集中力の途切れが重大な事故を招いてしまうかもしれません。
そんな時に お子さんやお孫さんが描いた絵がトラックにラッピングされていると、このトラックで事故を起こすわけにはいかないという意識が以前よりも強くなり、ゆとりをもって安全運転を心がけるようになります。このラッピングトラックは、運転しているドライバーだけでなく、周りを走行しているドライバーにもいい影響があったようです。煽り運転や無理な割り込みをされることが以前よりも減ったという報告もあります。子どもの絵がラッピングされることで、ドライバーに常に「見られている」という緊張感から自覚と責任を生じさせ、安全運転への意識を高めさせる効果があるといえるのではないでしょうか。
また、子どもの絵には人の心を和ませるパワーがあります。「人にやさしくしたい・世の中をよくしたい」という誰しもが必ず持っている良心を呼び覚ます力があるのかもしれません。子どもの絵をトラックにラッピングするこどもミュージアムのプロジェクトは、今や全国に広がっています。その結果、交通事故率は4割削減。プロジェクト発足当時の願いだった交通事故防止にも一役買う結果となっています。
そのほか、ラッピングトラックで期待できる効果
子どもが描いた絵のラッピングトラックのほかにも、さまざまなラッピングトラックを見かけたことはないでしょうか。ラッピングトラックには自社の商品やサービスを大々的に宣伝する効果が期待できます。ラッピングトラックの強みは、なんといっても目に入るインパクトです。2t以上のトラックに派手に自社の宣伝をラッピングしたものは、巨大な広告看板が走行しているようなものです。
街中を走れば、周囲の人たちの目にもつきやすくなり、記憶に残りやすくなるでしょう。長距離トラックであれば、全国の人たちに見てもらえる機会が増え、さらなる自社のPRができるという効果が期待できます。また、最近では自社の宣伝だけではなく観光地や地元の特産品のPRをラッピングしたトラックを見かけることはないでしょうか。長距離を走るトラックを利用して、地元のPRに利用するラッピングトラックも増えてきたのです。こうすることで、地域活性化にも大きな効果をもたらすことが期待できるでしょう。
まとめ
子どもの描いた絵をラッピングしたトラックは、1つの悲しい事故から始まりました。人々の生活を支える物流トラックだからこそ、交通事故は決して起こしてはいけないものです。日々運転を頑張っているお父さんやお母さんの安全を願って子どもたちが描いた絵は、周囲のドライバーたちにもいい影響をもたらしてくれるでしょう。トラックのラッピングを考えている方は、ぜひ参考にしてください。