ラッピングトラックにアニメキャラを使用したい!著作権は大丈夫?
自分のトラックに好きなアニメキャラやゲームキャラをラッピングしたいけれど、著作権に違反しないか心配という方もいるでしょう。実際に著作権に引っかかると10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が科されることがあります。そうならないためにも、トラックにアニメキャラをラッピングするときのポイントをしっかりおさえておきましょう。
アニメやゲームのキャラで装飾した車を痛車という
車のボディ全体に自分の好きなアニメやゲームのキャラクターを装飾している車を見たことはありませんか?こういった車は痛車と呼ばれ、いわゆるオタク文化が発祥になっているラッピングカーです。痛車の語源は、一説には周囲から見て「痛々しい(恥ずかしい)車」から来ているといわれています。
自分の車を使って好きなアニメやゲームの世界観を表現した痛車はインパクト抜群で、街中を走っていると人々の注目を集めます。痛車も一種の宣伝効果があり、自分が好きなアニメを大々的にアピールできるので、同じアニメのファンと交流するツールにもなるでしょう。そのため、痛車の愛好家が集まって自慢の痛車を披露し合うイベントが行われたり、時にはそれが町おこしに活用されたりなど、日本ならではの文化として浸透しつつあります。
アニメキャラでトラックをラッピングするときは著作権に注意
アニメキャラをトラックにラッピングするには、キャラクターが印刷されたステッカーを、トラックのボディ全体を覆うようにして貼り付ける方法が一般的です。ここで考えなければいけないのは、アニメやゲームのキャラクターを使用したラッピングトラックは著作権に抵触しないのか、ということでしょう。
結論からいうと、無断でキャラクターを使用したラッピングトラックを作成すると、著作権違反になります。悪質な場合は制作会社から訴えられるケースもあるので注意しましょう。ただ、ラッピングカーを製作している会社などは、版元と直接契約して作られたステッカーを貼り付けてもらえるので、その場合は著作権違反にはなりません。このように著作権が守られているステッカーでラッピングされたトラックで行動を走ることもOKとみなされています。
では、どういった場合が著作権の侵害に当たるのでしょうか。それは、簡単にいうとアニメやゲームのキャラクターを無断使用してステッカーを作成する場合がこれにあたります。著作権法第21条の「著作者はその著作物を複製する権利を専有する」という条項に違反してしまうというわけです。ただし、ラッピングトラックを人目に触れさせるために行動を走らせたり、営利目的に使用したりしなければ著作権違反とはなりません。
極端にいえば、ラッピングトラックを私的に楽しむためだけに、ガレージなどで保管しているだけでは著作権違反にはならないのです。つまり、著作権が許諾されているステッカーを貼り付けて公道を走る行ためはOK。公道を走らせて注目を集める目的でアニメのステッカーを作成する行ためはNGとなるのです。
ラッピングトラックにアニメキャラを使用するときのポイント
では、著作権を侵害せずに安全にアニメのキャラクターをトラックにラッピングするにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、ラッピングトラックにアニメキャラを使用するときのポイントを解説します。
痛車ステッカーの製作会社に依頼
これが、著作権に違反しないもっとも確実な方法でしょう。痛車ステッカーの製作会社は、版元と契約してステッカーを作成している場合が多いです。著作者の許諾を得て製作しているので、安心して公道を走らせることができます。
制作会社のガイドラインを守る
近年のアニメブームにより、アニメやゲームの製作会社でもカーラッピングにキャラクターを使用するためのガイドラインをもうけているところが多くなりました。たとえば、
・キャラクターデータを使用したい痛車の車両登録
・運転免許証などによる身分証明書の提出
・痛車への著作権表記
・痛車の完成後、アニメ制作会社・ゲーム制作者へ完成画像の送付。ウェブサイトへの公開に同意
などの条件付きで、アニメキャラクターをラッピングトラックに使用できる場合があるので、使用したいアニメの制作会社のガイドラインをしっかり読み込んで遵守することを意識しましょう。それでも著作権について不安がある場合は、直接制作会社に問い合わせるといいでしょう。
ステッカーの貼り付け位置に注意
道路運送車両の保安基準第29条には「自動車の前面および側面ガラスは運転者の視野を妨げないもの」として記載されています。ラッピングステッカーをトラックのボディに貼り付けるのはいいのですが、フロントガラスや側面ガラスにまで貼ってしまうとドライバーの視界を妨げてしまって、事故を誘発する危険性があるので注意しましょう。また、そういった車は車検が通らないので、トラックをラッピングする際には、貼り付け位置にくれぐれも注意してください。
まとめ
以上、アニメのキャラクターをトラックにラッピングするときのポイントについてまとめました。痛車と呼ばれる大胆なラッピングをしたトラックは、自分の好きなアニメを表現したり、同じアニメファンと交流したりと趣味の幅を広げてくれます。一方で、著作権のことをよく知らずにラッピングトラックを製作すると、のちのちトラブルになりかねません。そうならないためにも、しっかり痛車を製作するためのガイドラインは確認しましょう。